歯を失ったところを放置すると、噛み合っていた歯が伸びてしまい、噛み合わせを乱す恐れがあります。噛み合わせが乱れると、顎関節に負担がかかったり、肩こりや頭痛が起きたりして生活に支障をきたしかねません。

また、咀嚼能力が低下することで、無意識に反対側の歯で噛むクセがつき、顔の筋肉のバランスが崩れたり特定の歯に負担がかかったりします。歯を失ったときの治療法には、ブリッジや入れ歯、インプラント治療があります。

当院では、ご自身にとって最良の治療をお選びいただくために、それぞれの違いを詳しく丁寧にご説明しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

ブリッジは、歯を失ったところの両隣の歯を大きく削り、橋をかけるように人工歯を被せる治療法です。

メリット

• 固定式のため、装着中の異物感がありません
• 入れ歯と比べて噛む力が強く、硬いものも噛めます

デメリット

• 支えになる歯を大きく削る必要があります
• 神経を抜かなければならない場合は歯の寿命が縮まります

メンテナンス

ブリッジを適用したところの両隣の歯、人工歯のすき間はむし歯や歯周病のリスクが高いため、歯科医院での定期的なクリーニングや適切な歯磨きが必要です。

全ての歯を失った場合は総入れ歯、1本でも残っていれば部分入れ歯を適用します。総入れ歯は人工の床に義歯が並んでいる構造です。

部分入れ歯には金属の留め具がついており、残っている歯に引っかけて支えます。入れ歯のすき間に食べかすや歯垢が溜まるため、毎食後に掃除が必要です。

メリット

• 1本から全ての歯を失ったケースまで幅広く適用できます
• 残っている歯をほぼ削らずに治療できます

デメリット

• 異物感による話しにくさや違和感を覚える人がいます
• 使用中に外れたりガタついたりする場合があります
• 留め具を引っかけている歯に負担がかかります
• 噛む力が弱くなるため食べられる食品の種類が少なくなります

メンテナンス

留め具を引っかけている歯の負担を減らしたり、噛み合わせのバランスを整えたりするために、定期的な調整が必要です。

また、留め具をかけている歯はむし歯や歯周病のリスクが高いため、丁寧に歯磨きをする必要があります。早期発見・早期治療するためにも、定期的にお口のチェックを受けましょう。

インプラント治療は、顎の骨にチタン製の人工歯根（インプラント体）を埋め込み、それを土台として人工歯を被せる治療法です。

メリット

• 顎の骨に土台を作るため硬いものでも噛めます
• 天然歯に近い見た目のため口元が気にならない
• 周りの歯を削る必要がないため健康な歯の寿命を縮めずに済みます

デメリット

• 全身疾患がある場合は適用できない可能性があります
• 保険適用外のため保険診療の治療と比べて費用が高くなります
• 通院回数は少ないのですが治療期間は比較的長くなります

メンテナンス

インプラント治療に使用するインプラント体や人工歯はむし歯になりません。

しかし、周りの歯茎は他の部位と同様に歯周病になる恐れがあるため、日々の歯磨きや歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。

入れ歯やブリッジ、インプラント治療は、いずれも天然歯と全く同じ咀嚼能力を取り戻せる治療法ではありません。噛む力を天然歯と比較すると、入れ歯は30%、ブリッジは60%、インプラントは80%以上となります。

インプラント治療は噛む力が最も強いため、よく噛めることによる認知機能の活性化に繋がります。認知症の原因はさまざまですが、噛むこととの関係性が注目されているため、できれば噛む力が強いインプラント治療を選んだ方がよいでしょう。

インプラントは、よく噛めることで唾液の分泌量が増えるため、むし歯や歯周病、口臭のリスクを低減できます。また、噛む筋肉が鍛えられると、顔のたるみやしわなどもできにくくなります。さらに、よく噛めることで身体のバランス感覚や運動能力の維持に繋がり、転倒のリスクも抑えられるのです。

インプラント治療と言えば、高額で受けづらい治療というイメージをお持ちの方もいらっしゃいます。しかし、ご紹介したようにさまざまなメリットがあるため、費用対効果が高い治療法と言えます。

インプラント治療に少しでも興味が出てきた方は、当院までお気軽にご相談ください。